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研究紹介

現代社会のかかえている問題は多種多様です。
その中で環境問題は潜在的でかつ深刻なものの1つで早急な対応が求められています。しかも「物質的に豊かなエネルギー大量消費社会がこれまでのように持続することは不可能」ということを認識した上で問題に取り組まなければなりません。

環境材料工学科では大学院工学研究科物質工学専攻と連携して、21世紀のパラダイム”クリーンで環境と調和する材料科学”の確立を目指し、研究活動を行っています。

eマテリアルとは

英語名でeで始まる言葉には21世紀の材料科学パラダイムに関連してキーワードとなるものが多くあります。環境:environmentと調和した循環社会を材料(マテリアル)の精密科学を土台として構築していくことが今まさに求められており、energy(エネルギー)、ecology(地球環境との調和)、electronics(エレクトロニクス)、economy(経済性)、epoch(新時代を開くもの)の5つのeがそれにあたります。ここでは5つのeをキーワードに現在行っている材料研究の数例を紹介します。

energy(エネルギー)

水素親和性を有するセラミックス材料の微構造組織

近年、クリーンエネルギーキャリアとして注目されている水素の貯蔵・輸送システムの開発が望まれています。
研究開発段階にある新しい水素の貯蔵技術の一つに、水素親和性を有するセラミックス材料があります。
原子レベルで高度に化学組成を制御し、ナノメートルオーダーで材料内に空間を構築することで、水素親和性が得られます。

ecology(地球環境との調和)

超音波ノズルにより気泡を微細化した高効率反応プロセス

金属やセラミックスのような材料を製造するには、エネルギーや資源を多量に消費すると同時に、廃棄物の発生を伴います。
地球環境保全と資源の有効利用の観点から、自然と調和した材料製造プロセスが必要となっています。
種々の材料を対象として、製造およびリサイクルプロセスの中で起こる様々な現象を解明し、プロセスの高効率化、省資源、省エネルギー、リサイクル型の材料開発を目指します。

electronics(エレクトロニクス)

有機⁄無機ハイブリッドフィルム構造の圧電式振動発電素子

圧電体セラミックスに圧力を加えると表面電荷が現れます。
さらに、ポリマーが持つ柔軟性と組み合わせると、日常周囲に存在する微小な環境振動を電力変換することもできます。
機器間通信する自動車や家電部品が急激に増加すると予測される将来に向けて、バッテリーフリー・配線フリー・メンテナンスフリーの特長を活かした、無線センサー・ネットワーク分野への電源応用が期待されています。

economy(経済性)

オートバイの排気管に取り付けた熱電発電装置

熱電材料は、熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換することができる次世代エネルギー材料です。
従来の発電機と違い可動部分がなく小型化が容易なので、さまざまな装置・電気製品の発熱部に組み込むことができます。
こうすることにより、あらゆる廃熱をエネルギー源として活用することが可能になります。
たとえば、これを自動車やオートバイに応用し、エンジンや排気管の廃熱を使って発電すれば、燃費の向上が期待できます。
現在、環境に優しいホイスラー化合物熱電材料の実用化を目指しています。

epoch(新時代を開くもの)(1)材料とナノテクノロジー

環境調和型の半導体ナノ粒子

ナノメートルサイズ(十億分の1メートル)の構造体が持っている新機能(高効率発光、電子トンネリング、バリィスティック伝導など)に注目が集まっています。
これは、これまでのものとは全く異なるメカニズムで動作する、高機能で高効率なナノ粒子太陽電池材料や触媒材料など、世代を担う新規デバイスの実現が期待されているためです。
それらを作り出す技術がナノテクノロジーであり、それを発展させることで新しい時代が切り拓かれます。

(2)セラミックスと生体

材料上で成長する骨形成性細胞

生体組織をつくる立役者は細胞です。
この細胞の成長を促し、組織の再生を実現させる材料が求められています。
細胞との親和性に優れ、多孔質な構造をもつセラミックス・ポリマー複合繊維構造体は、新しい骨組織代替材料および再生医療用材料としての応用が期待されています。